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「…パワースポット?」「そうなのよ。何だか今、すごい人気らしくてね?」いつもの伝言板チェックの帰り道、立ち寄ったCAT'Sで、息巻くかすみちゃんに捕まった。苦笑しがちにフォローしてくれる美樹さんを押し退けるかのようにカウンターから身を乗り出してくる、かすみちゃん。その瞳は爛々と輝いていた。「そうなんです!縁結びにすごく御利益があるらしくって、女の子の間では大人気!雑誌でも取り上げられてるみたいで、ウチのクラスの子も、みーんなお参りしてるんですよ♪」「うーん…そういうのって、どうかなとも思うんだけど…」かすみちゃんの意見に反対するワケじゃないけれど、テレビや雑誌で取り上げられるのは、割と一過性のものが多いのも事実なワケで。口にこそ出さないケド、私としては、ちょっと眉唾モノかなと思ったり。

「…ん、もうっ!!そりゃぁ美樹さんや香さんには、海坊主さんや冴羽さんて素敵な人がいるから、関係ないでしょうけど…」「…やだ、かすみちゃんたら。リョウと私は、そんなんじゃ…」「…いまさら言い訳、しないで下さい」「…」バサリと音が聞こえたかと思う程の、一刀両断。外は見事な青空なのに、ブリザード吹きすさぶばかりのジト目でにらまれると、何も言い返せない。「んじゃぁ、ただの縁結びには興味なくても、海坊主さんや冴羽さんとの絆を、より強いものにするって考えたら、どうです?」「あら、それならいいわね」洗い終えたカップを拭いていた手を止め、美樹さんうっとりとした瞳でにこりと微笑む。「でしょー?じゃぁ次の日曜に…約束ですよっv」

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「…てなコトになっちゃったのよ」「…お前って、どうしてこう、のせられやすいんだか」リビングで、湯気の立つマグカップからコーヒーを口に含んだリョウが、やってらんないとばかりに肩をすくめる。「…何よ、そんな言い方しなくたっていいじゃない」確かに多少なりとも乗せられやすい性格だとは自覚してるけど、せっかく楽しく話してるかすみちゃんを否定するのも、話しの腰を折るのも、私には出来なくて。気遣いがあると言われるならまだしも、そんな言い方されるなんて、筋違いよっ。「あのね、リョウ。私は…」「お前、これ以上、何望んでんの?」と、皆まで言わせず、テーブルにカップを置いたリョウの手が、そのまま私の手首を掴んで、引き寄せた。

「これでもまだ、足りないワケだ。欲張りだねぇ、香ちゃんは♪」そう言って、太く逞しい腕が私の肩を引き寄せて。気付けばそのまま、がっしりとした腕の中、すっぽりと捕らえられていた。「…リョウっ///」「俺と"こう"なったってのに、まだ縁結びとか願っちゃうんだ。リョウちゃんの愛し方、まだ足りなかったのか、ふーん…?」にやり、とほくそ笑む様すら、見惚れる程で。耳の後ろに鼻先を擦り寄せられて、どきりと胸が高鳴った。

「あっ、愛し方って、私は…///ただ表に出さない、あまのじゃくなあんたが悪いんじゃない」「…それはお互いさま、だろ?」気の遠くなるほどの時を重ねて、二人、そういう関係になったコトは、最近のコト。自分自身でさえ、まだこの急激な環境の変化に慣れないんだから、ましてやみんなに報告なんて、とんでもない。今しばらく落ち着くまでは…と、まだみんなには内緒なの。「そっ、そりゃぁそうだけど…」「…わかった、わかった。いいから今は…黙っとけ」苦笑まじりのリョウの顔が近づいて、頬に大きくあたたかな手が添えられて。素直になれなかった長い時間を補うかのように、ゆっくりと唇を重ねた。
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【2014/05/24 22:45】 | 未分類
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